不安障害 記憶力(その7)
「ある日、突然、息が苦しくなって、胸がドキドキ、冷や汗が止まらない……、理由の分からない発作におそわれ、そして、また、あの恐い発作がいつ起きるか分からずに今も、ずっと不安な状態が続いている」こんな状態はありませんか?
パニック障害は、特別な理由もないのに襲ってくるパニック発作で発症する病気です。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そして、そのうち「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか……」という強い不安が患者さんを苦しめるようになります。このパニック発作が起こることを強く不安に思う症状を予期不安と言い、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的な症状です。
パニック発作では様々な症状がみられます。「胸がドキドキする」といったあるひとつの症状が出るというよりは、同時にいくつもの症状があらわれます。
パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。
なぜ、強い恐怖を感じる出来事の後に、フラッシュバックや、感情の麻痺、過敏反応などが起きるのでしょうか?
フラッシュバック:強い恐怖体験をしたときに、脳の一部から交感神経を緊張させるような物質が多量に分泌され、記憶作用が高められるために起こるのではないかと仮説されています。失恋や、仕事の失敗などではこのような神経の高ぶりは認められないので、外傷後ストレス障害は、強い恐怖体験によって、脳(こころ)に刻みこまれた傷であると言えます。
麻痺:本人にとって、苦痛な出来事の記憶を意識の奥深くに閉じ込めてしまおうとするために生じる症状です。記憶を閉じ込めてしまうことで、一時的には楽になれますが、そうすることで体験の記憶やそれまで持っていた感情も一緒に閉じ込められ、無感情になってしまいます。
過敏反応:体験のときに生じた強い興奮による交感神経の緊張が、その後もずっと続いているために生じる症状です。興奮状態が事件後も長く続くことによって、いつも気持ちが張り詰めて、些細なことに反応したり、イライラしたり、夜も安心して眠れなくなるという問題をもたらすようになります。
全般性不安障害の患者さんが抱える不安は、持続的で程度も過剰であり、本人が思うようにコントロールできません。患者さんは、自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かず、身震いをすることもあります。些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができません。そして、症状が進むと、睡眠や毎日の生活にも障害をきたすようになります。
また、自らの著しい不安感が「人とは違う、この不安感や恐怖感は不合理なものだ」と認識していることはSADの患者さんに共通している点です。やがて、だんだんと自分が恐怖を感じる場所に行くことを避けるようになります。どうしても出かけなければならない場合には、その場に赴く前から非常に強い不安を覚えることになり、今まで以上に周囲の目が気になるようになってしまいます。こうした強い不安感は、学校や職場での活動にも大きな影響を及ぼし、不登校や中退、退職といったケースに至ることも多く、生活に大きな支障をきたすようになってしまいます。た、思春期前にSADを発症した場合は、自らの不安感を不合理であると認識できない場合があります。こうした子どもには、「よく知っている人の前では普通に振る舞えるが、よく知らない相手だと、大人だけではなく子ども同士のつき合いでも不安を感じている」「よく知らない相手と会う状況を避けたがる」等の症状が現れます。
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