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不安障害 精神療法(その17)

「ある日、突然、息が苦しくなって、胸がドキドキ、冷や汗が止まらない……、理由の分からない発作におそわれ、そして、また、あの恐い発作がいつ起きるか分からずに今も、ずっと不安な状態が続いている」こんな状態はありませんか?
パニック障害は、特別な理由もないのに襲ってくるパニック発作で発症する病気です。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そして、そのうち「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか……」という強い不安が患者さんを苦しめるようになります。このパニック発作が起こることを強く不安に思う症状を予期不安と言い、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的な症状です。
パニック発作では様々な症状がみられます。「胸がドキドキする」といったあるひとつの症状が出るというよりは、同時にいくつもの症状があらわれます。
パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。


脳にはおよそ140億個もの神経細胞があり、それらの神経細胞は、神経伝達物質の制御を受けることで、協調して働き、脳全体の機能を調節しています。セロトニンもそうした神経伝達物質の一つですが、そのバランスが崩れてしまうことが、SADを発症させる原因ではないかと考えられています。また、セロトニン同様にドーパミンという神経伝達物質のバランスが不安定になることでも不安を誘発するのではないかと言われており、神経伝達機能が正常に作用すれば不安状態は発生しにくいと考えられています。


理屈ではわかっても、今まで訪れたことのない精神科や神経科、心療内科を訪れることに不安を感じる人は多いものです。そこで、医療機関で治療を受けることによるメリットを話してあげてください。「恐怖感が薄まれば、仕事もしやすくなるだろう」等、なるべく具体的に、どんなに生活の質が改善するかを話してあげると、患者さんの不安感は弱まり、楽な気持ちで医療機関へ行きやすくなります。自分は気をつかって接しているつもりでも、悩みを抱えている患者さんにとっては負担になることがよくあります。社会不安障害(SAD)の患者さんに対して接するには、“無理をさせないこと”がポイントです。
SAD の患者さんは常に心のうちの不安や恐怖と戦い、それでも周囲の人から浮き上がらないように、悩みを抑え、何事もないように振る舞う等、日常生活においても「頑張る」ことを強いられています。そこに、「頑張れ」と言われることは、非常に辛いこと。むやみに「頑張れ」と励ますよりも、暖かく見守ってあげることが大切です。
「頑張れ」と声を掛けられないからといって、腫れ物に触れるように接したり、コミュニケーションを避ける必要はありません。「特別視」や「無視」は「頑張れ」と同じように辛いものです。常に相手のことを理解し、見守ってあげていくことがSADの患者さんには心強い支えとなるのです。


不安が生まれる状況にあえて飛び込んで、刺激に身を曝す「曝露療法<エクスポージャー>」を行います。不安症状を生む状況にあえて飛び込む治療に際しては、唐突に刺激の強い状況に身を投じるのではなく、段階的な目標に沿って、徐々に身を慣らしていき、不安症状を改善していきます。SADの場合は、認知療法と行動療法をグループで行う「集団認知行動療法(CBGT)」も一般的に行われます。森田療法(森田正馬氏が1920年ごろ創始)では、不安や恐怖は自然な感情であり、よりよく生きたいという欲望と表裏一体のものと理解します。したがって不安は無理に排除しようとせずに「あるがまま」におき、不安の裏にある向上発展欲を生かして建設的な生活を営むことを目指します。そうすることによって症状へのとらわれから脱することができるのです。森田療法は入院治療が基本ですが、外来指導も行われています。



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