不安障害 無職(その8)
SADは、比較的若いうちから発症する病気で10代半ばから発症するケースが多いとされています。症状が慢性化してくると、「うつ病」や「パニック障害」等、別の精神疾患の合併が問題となります。また不安な気持ちを回避するためにアルコールを多量に摂取するようになり「アルコール依存症」を引き起こすこともあるため、充分に注意することが必要です。
社会不安障害(SAD)がどうして起こるのか?
残念ながら、その原因はまだはっきりとは分かっていません。しかし、神経系疾患に関する研究がすすんできた今日では、脳内にあるセロトニン等の神経伝達物質がSADの発症に関わっているのではないかと考えられています。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)。
あらゆる社交的場面や「人前で話す」「電話に出る」「注目を浴びる」などの状況で、常に強い不安を感じてしまうSADの治療には、抗うつ作用と抗不安作用をもつSSRIが用いられるケースが多く見られます。欧米では積極的に治療に利用されており、その効果が本邦でも認められています。
SAD の原因は、今のところはっきりとはしていませんが、神経伝達物質であるセロトニンの放出バランスが崩れていることが原因の一つではないかと考えられています。SSRIは、一旦放出されたセロトニンが、もとの神経細胞に再取り込みされることを防ぐことで、神経細胞間の遊離セロトニン量のバランスを保つ薬剤です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬。
SSRIに比して即効性があるため、SSRIの効果が現れるまでの間に用いられます。あるいは強い不安に基づく身体症状に対して多く用いられます。
β遮断薬。
もともとは高血圧症等に用いられる循環器系の薬ですが、ヨーロッパでは多く用いられており、「非全般型」には効果はあるが、「全般型」には、効果があまりみられないとされています。
予期不安の症状が強くなると、発作を恐れて外出できなくなったり、発作が起こったときにすぐに助けを求められないような場所やその場からすぐに逃げ出せない場所を避けるようになり、このような症状を「広場恐怖」と言います。
広場恐怖とは、「広場」を恐がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が“特定の場所や状況”を避けるようになることです。例えば
電車やバス(特に急行など停車間隔の長いもの)、人ごみ、地下道、高速道路、高架橋(車の運転の場合)、美容院、歯科、屋外などです。
広場恐怖の症状には軽いものから、重症のものまで様々な状態があり、重症になると日常生活は大きく障害されるようになります。
不安が生まれる状況にあえて飛び込んで、刺激に身を曝す「曝露療法<エクスポージャー>」を行います。不安症状を生む状況にあえて飛び込む治療に際しては、唐突に刺激の強い状況に身を投じるのではなく、段階的な目標に沿って、徐々に身を慣らしていき、不安症状を改善していきます。SADの場合は、認知療法と行動療法をグループで行う「集団認知行動療法(CBGT)」も一般的に行われます。森田療法(森田正馬氏が1920年ごろ創始)では、不安や恐怖は自然な感情であり、よりよく生きたいという欲望と表裏一体のものと理解します。したがって不安は無理に排除しようとせずに「あるがまま」におき、不安の裏にある向上発展欲を生かして建設的な生活を営むことを目指します。そうすることによって症状へのとらわれから脱することができるのです。森田療法は入院治療が基本ですが、外来指導も行われています。
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