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パニック障害 不安障害(その8)

「ある日、突然、息が苦しくなって、胸がドキドキ、冷や汗が止まらない……、理由の分からない発作におそわれ、そして、また、あの恐い発作がいつ起きるか分からずに今も、ずっと不安な状態が続いている」こんな状態はありませんか?
パニック障害は、特別な理由もないのに襲ってくるパニック発作で発症する病気です。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そして、そのうち「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか……」という強い不安が患者さんを苦しめるようになります。このパニック発作が起こることを強く不安に思う症状を予期不安と言い、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的な症状です。
パニック発作では様々な症状がみられます。「胸がドキドキする」といったあるひとつの症状が出るというよりは、同時にいくつもの症状があらわれます。
パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。


パニック発作を初めて経験したとき、あまりの発作の激しさに救急車で病院へ運ばれることもしばしばあると言います。しかし、このまま死んでしまうのではないかと思うくらいの激しい発作が起こっているにも関わらず、病院で検査をしても心電図や呼吸機能、血圧などには特に異常は認められません。しかし、多くの患者さんがこの検査結果に納得いかず、いろいろな病院を周り検査を繰り返すのですが、その間、適切な治療が受けられないために、症状を悪化させるケースが少なくありません。
パニック障害には、「あの恐ろしい発作がまた起きるのではないか」という不安感(予期不安)が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強まり、症状を悪化させていきます。予期不安にみられる症状には、パニック発作が起こることに対する不安の他にも、発作が起こったときに人前で取り乱してしまうことや、人に迷惑をかけることを不安がることもあります。


精神療法には、「認知療法」と「行動療法」を組み合わせた治療法や、日本で生まれた「森田療法」などがあります。
不安な気持ちが起こるメカニズムを勉強し、自らに不安感を引き起こしてしまう誤った認知パターンを修正できるようにするのが「認知療法」です。
「なぜ、人前に出ると恥ずかしく不安になるのか」というメカニズムを勉強しながら、周囲の人の目や自分の能力を再認識し、不安が発生していた状況の認知を改めます。と、同時に呼吸法やリラックス法、上手な話し方等、不安状況への対処法も合わせて学習していくのが認知療法です。


不安が生まれる状況にあえて飛び込んで、刺激に身を曝す「曝露療法<エクスポージャー>」を行います。不安症状を生む状況にあえて飛び込む治療に際しては、唐突に刺激の強い状況に身を投じるのではなく、段階的な目標に沿って、徐々に身を慣らしていき、不安症状を改善していきます。SADの場合は、認知療法と行動療法をグループで行う「集団認知行動療法(CBGT)」も一般的に行われます。森田療法(森田正馬氏が1920年ごろ創始)では、不安や恐怖は自然な感情であり、よりよく生きたいという欲望と表裏一体のものと理解します。したがって不安は無理に排除しようとせずに「あるがまま」におき、不安の裏にある向上発展欲を生かして建設的な生活を営むことを目指します。そうすることによって症状へのとらわれから脱することができるのです。森田療法は入院治療が基本ですが、外来指導も行われています。



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