カウンセラー ウツ(その18)
うつ病の治療の経過には大きく分けて、3つのステップがあります。
【ステップ1】 急性期 くすりの飲み始めから、“うつ病”の症状を改善するための治療期間
【ステップ2】 回復期 もとの生活へ戻していくための治療期間
【ステップ3】 再発予防 うつ病の再発を予防するための治療期間
急性期・回復期・再発予防で治療の目的、くすりの服用、日常生活で注意することなどが異なります。
そのため、あなたが今、どの段階にいるのかを把握し、各治療期の特徴を理解しておくことは今後の治療をスムーズに進めるためにも大切です。
うつ病の急性期とは、気分の落ち込み、不安、イライラ、不眠、食欲の低下などのうつ病の症状がもっとも重くつらい期間で、『こころの休息』と『くすりの服用』を中心とした治療でこれを改善していきます。
“うつ病”は、治療を始めてすぐに改善することを目指そうとすると、あせる気持ちにつながり、逆に回復が遅れてしまうこともあります。また、回復の過程には、よくなった後で少し逆戻りすることもよく起こります。「あせらず、じっくりと」治療に取り組んでいきましょう。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、現在世界中で使われている抗うつ薬です。セロトニントランスポーターに作用し、神経細胞と神経細胞の間でセロトニンの量を調整するように働きます。不安を抑える作用が強いので、抑うつ状態のほか、不安が強い患者さんにも用いられます。副作用は比較的少ないといわれていますが、飲み始めに、吐き気やむかつき、便秘、下痢などの消化器系の副作用があらわれることがあります。これらの症状の多くは1〜2週間で自然に消えますが、気になるときは医師に相談してください。
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は2000年に使用が認められた抗うつ薬で、脳内神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの両方の調整を行うために、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用があります。
三環系抗うつ薬は、“うつ病”を改善する効果をもつくすりですが、一方でセロトニン以外のアセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑制してしまうため、抗コリン作用という便秘、排尿困難、口が渇くなどの副作用があらわれることがあります。
四環系抗うつ薬は、三環系抗うつ薬の副作用である抗コリン作用を少なくすることを目的として開発されたくすりです。
「症状もよくなってきたので、仕事や家庭生活に復帰する準備を少しずつ始めましょう」と担当の医師に言われると、うつ病が治ったと思い、それまで続けていた治療をやめようと思う患者さんがいます。しかし、うつ病はぶり返しやすい病気であるため、回復期も急性期と同じくすりの量で、少なくとも半年間は治療を維持していくことが基本とされています。
「復帰する」という大きな変化に対応していくためには、それ以外のことは何も変えないようにすることが大切なのです。
生活が軌道に乗るまで、くすりが背中を押してくれると考え、今までどおりに医師の指示に従ってくすりの服用を続けてください。
また、故意にくすりをやめるつもりがなくても、仕事や家庭生活への復帰を始めると朝が忙しくなったり、昼は外に出ることが多くなるため、飲み忘れにも注意しましょう。
“うつ病”の治療は「十分な休養」と「くすりによる治療」という2つの柱で進められます。また、考え方などを見直す「精神療法」を組み合わせた治療が行われることもあります。
十分な休養は、“うつ病”の治療で最も大切なものです。まずはゆっくりと休むことで、疲れきっているこころとからだをリフレッシュさせます。この期間は、家で何もしないでゆったりとして過ごすことが大切です。
“うつ病”の患者さんは、「常に何かをしていなければいけない」、「休むことは罪だ」と考えるタイプの人が多いため、なかなか休みをとろうとしません。休養によってこころのガソリンを十分に補給することで治療効果も上がります。十分な休養をとる場所がない場合は、軽症であっても入院した方がよいという場合もあります。
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