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うつ 病者への接し方(その10)

特に精神科のくすりに抵抗感をもっている方もいるかもしれませんが、“うつ病”もほかの病気と同じようにくすりによる治療で、からだの中の異常を修正することが必要です。“うつ病”には「抗うつ薬」という種類のくすりが有効であると考えられています。
精神療法(心理的治療)
“うつ病”の精神療法は、特に「ぶり返し」を予防するために効果があります。精神療法の中の「認知行動療法」は、“うつ病”の患者さんによくみられる「否定的な思考パターン」を話し合いなどによって問題を客観的に整理し、「より柔軟な思考パターン」にしていこうというものです。


仕事や家庭生活への復帰を考えるタイミングは、最も重要なポイントです。特に、会社を休職している患者さんにとっては、1日も早く会社に復帰して働きたいという想いが強いものです。
急性期にみられた憂うつな気分、不安、自分を責める気持ち、消えてしまいたいと思うことなどの症状が軽くなり、主に「億劫さ」が残っているという状態になったら、復帰へのリハビリを考え始める目安と考えられています。


抗うつ薬を服用する際、もっとも大切なことは、医師の指示にきちんと従うことです。自己判断でくすりの量を調整したりくすりの服用を止めたりすることは、回復を遅らせたりうつ病を悪化させる原因になります。また、抗うつ薬は、熱を下げるくすりのように即効性のあるくすりではなく、2〜4週間のうちに徐々に効いてきます。したがって、服用を始めてすぐに効果が出ないからといって不安になる必要もありません。その効果があらわれる速度はゆっくりかもしれませんが、抗うつ薬は確実に脳内の神経伝達物質のバランスの乱れを調整しながらうつ病を改善していきます。


うつ病の治療を進める上で、とても難しいのが“異常が目にみえない”ということです。ケガをしたときのように傷口が見えたり、糖尿病や高血圧のように血糖値や血圧という数値として異常が目にみえれば、「今はまだ完全に治っていないから、きちんと治療を続けよう」と思えるのですが、うつ病の場合は、異常がはっきりと目にみえないため「先生は治療を続けるように言っているけど、最近は調子がいいからもう、大丈夫だろう・・・」と自己判断でくすりの服用をやめてしまうことがあります。
しかし、回復期に入った今の状態は、傷口に例えるとまだ“かさぶた”の状態です。“かさぶた”ができると、血は流れていませんし、痛みもやわらいでいます。しかし、本当の皮膚ではないので、皮膚より弱く、ちょっとしたことで傷がまたできやすく、皮膚より柔軟性に欠けるので、動きもぎこちありません。“かさぶた”は大事にして、“本当の皮膚”ができあがるまで、守ってあげることが必要です。そのため、生活が軌道に乗るまでは、くすりが「傷口の絆創膏である」と考え、今までどおりに担当の医師に従ってくすりの服用を続けましょう。



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