うつ 入院(その10)
大切なことはからだの不調にもうつ病の可能性があることを知っておくことです。これまで、原因が分からずに「眠れない・・」、「頭痛が続く」とからだの変調に悩まされていた人は、うつ病の症状や生活環境に当てはまるところがいくつかあるのではないでしょうか?アメリカでは、男性の10人に1人、女性の5人に1人が、一生に一度はうつ病にかかったことがあるというデータがあり、日本でも人口の約5%はうつ病の患者さんであるといわれています。この数年間で確実に患者数は増えており、「仮面うつ病」でからだの不調の理由をみつけ出せずにいる人も含めれば、さらに増加していると予想されます。仮面うつ病は、からだの症状が前面に出ているうつ病です。そのため、うつ病のこころの症状の特徴である悲しい気分や、憂うつ感が目立たないため、うつ病と診断することが難しい場合があります。こうしたからだの症状は、抗うつ薬の治療により比較的治りやすいといわれています。
うつ病は、こころの弱さや努力不足が原因ではなく、病気であることを自覚することです。
うつ病は直線的に改善するわけではなく、「よくなったり、悪くなったり」を繰り返しながら、徐々によくなっていく病気です。あせらず、気長に治療に取り組むことも大切です。
くすりの服用は医師の指示に従うことです。抗うつ薬はのみ始めて数日たってから序々に効き始め、次第に1〜4週間のうちに効果が現れてきます。また、その後症状が安定しても再発を防ぐためにしばらく服用を続けます。自分で判断してくすりをやめたりしないようにしましょう。
抗うつ薬を服用する際、もっとも大切なことは、医師の指示にきちんと従うことです。自己判断でくすりの量を調整したりくすりの服用を止めたりすることは、回復を遅らせたりうつ病を悪化させる原因になります。また、抗うつ薬は、熱を下げるくすりのように即効性のあるくすりではなく、2〜4週間のうちに徐々に効いてきます。したがって、服用を始めてすぐに効果が出ないからといって不安になる必要もありません。その効果があらわれる速度はゆっくりかもしれませんが、抗うつ薬は確実に脳内の神経伝達物質のバランスの乱れを調整しながらうつ病を改善していきます。
くすりの服用を開始し、“うつ病”の症状を軽くするための期間(6週〜12週)。
十分な休養をとりながらくすりの服用を始めます。この期間はくすりの反応にからだを慣らしていく期間ともいえます。眠気、めまいなどの副作用があらわれることがありますが、しばらくするとおさまります。治療効果は直線的ではなく、1段ずつ階段をのぼるようにゆっくりと回復していきます。
安定した状態を維持する期間(4〜9ヵ月)。
よくなった状態を維持する期間です。症状が安定しているのでよくなったと思いくすりをやめたくなる時期ですが、症状のぶり返しを予防するためにも医師の指示に従って治療を続けます。この期間にきちんと治療を継続することがとても大切です。
少しずつもとの生活へ戻していく期間(1年〜)。
周りの人たちとのコミュニケーションをとりながら、日常生活や職場に戻れるように慣らしていく期間です。また、“うつ病”を引き起こしやすい思考パターンの改善(認知行動療法)なども行われます。くすりの服用も、医師からの指示があるまでは続けていきます。
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